今日は久しぶりに都会に行ってきました。
コロナ禍で人混みや公共交通機関に乗る事もできるだけ避けてきたこの3年余りだったので、近鉄名古屋駅から残暑の眩しい地上へ出た時は、新しくなった高層ビルをついつい見上げてしまい、上京したての田舎のネズミになった気分でした。
目的は、5年ごとに更新義務がある「自家用発電設備専門技術者」更新講習の受講でした。
今時、講習なんてリモートでやればいいのに…
団体には受講者に遠出させても、わざわざ人手を掛けて講習を開かなきゃいけない都合があるのでしょう。
駅地下街の壁では「F1日本グランプリ」のポスターを見掛けました。
F1と言えば、私がいつも思い出すのは2014年にやっていた発電機関連工事の事です。
先週は自宅用の700W発電機の記事を書きましたが、2014年は三重県立総合医療センターの1000kVAガスタービン発電機の修繕工事を担当していました。

メインの発電機は修理の為に分解され使えなくなります。
その時、運悪く停電が起きたら病院の機能がマヒしてしまう為、すべての電力を賄える1200kVA(600kVA×2台)出力の仮設発電機を設置しました。
システムの設計も設置工事もやりましたが消防法との兼ね合いもあり駐車場の広い範囲を約1年に渡って占拠してました(;^_^A
私は元々クルマやF1が好きで佐藤琢磨さんが走っていた頃は鈴鹿に見にも行っていました。
ですが、この年は工事担当が決まった春からこの案件の事で頭がいっぱいです。
特に、停電時にはこの発電機が無人のまま自動起動し電力を病院に供給しなければいけません。
実機テストもOKだったのですが、できれば台風なんかで地域の停電が起こらないようにといつも願っていました。
ところが…よりにもよってF1日本グランプリ当日に台風がやって来たんです。
また、不運が重なり、その年のレースではジュールビアンキという若手のレーサーが事故に合い、鈴鹿から近く、高度な医療技術を持つこの医療センターに緊急搬送されました。
夜には台風接近で警報も出て、本当に地域停電が起こり、もしも発電機が起動しなかったら大変です。
家でやきもきしているよりはと思い、その夜は現場を確認しに行きました。
鳥羽から四日市へ高速を飛ばし、現場に着く頃には台風も山場を越えており、幸い停電も起こりませんでした。
懐中電灯で発電機の巡視点検だけして帰りました。
レーサーのビアンキ氏は医療センタースタッフの献身の手術と看護により一命を取り止めましたが、本国に戻ったのち残念ながら亡くなられたとの事です。
その後、F1の車両構造やルールも見直され、以来亡くなったレーサーは確かいないと思います。